○佐呂間町準公金取扱要綱

令和5年10月1日

訓令第5号

令和5年度に発生した公金及び準公金の詐取並びに預金通帳の変造による不祥事案は、職員の地方公務員としての自覚と道徳心の欠如、倫理観の低下により引き起こしたものである。

また、職場内での上司、同僚、部下それぞれの関係性において、根拠のない信頼関係によるなれあいの常態化により、職務における報告、連絡、相談、確認など、職員各々が果たすべき職責への弊害となっていたことは否めず、組織全体としての内部統制機能の低下が今回の事案を招いた一因であることを認識しなければならない。

このため、職員一人ひとりが今一度、全体の奉仕者としての立場を自覚し、公平公正な倫理観を高めるとともに職場内の連帯を強化し組織力の向上を図り、町政への信頼回復のため、法令遵守を徹底の上、厳正に事務を遂行するため、本訓令を制定するものである。

(目的)

第1条 この訓令は、実施機関の事務局に勤務する職員(定年前再任用短時間勤務職員、暫定再任用職員、非常勤職員及び臨時的に任用される職員を含む。以下「職員」という。)が取り扱う準公金について、取扱いの基本方針及び手続に関し必要な事項を定めることにより、準公金の会計事務の適正化及び事故防止を図ることを目的とする。

(定義)

第2条 この訓令において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 実施機関 町長、教育委員会、議会、農業委員会、監査委員及び選挙管理委員会をいう。

(2) 準公金 佐呂間町財務規則(昭和44年規則第6号)の適用を受けない現金、預金等(以下「現金等」という。)で職務上職員が出納又は保管するもののうち、次のいずれかに掲げるものをいう。

 町が構成員となっている協議会、協会、実行委員会等(以下「協議会等」という。)の所有に属する現金等

 町に事務局が設置されている協議会等の所有に属する現金等

 特定の使途のために、私人又は団体が支出した現金等で一時的な保管のみを行う現金等

 その他からまでのいずれにも該当しない現金等

(準公金の取扱い)

第3条 実施機関の課、室、園、所及び局長(以下「所属長」という。)は、次に掲げる要件のいずれかに該当するときに限り、準公金を取り扱わせることができる。

(1) 準公金を取り扱うことが公共性を有する場合

(2) 準公金を取り扱うことが町の処理すべき事務と密接な関係を有する場合

(3) 前2号に掲げるもののほか、協議会等の事務処理体制が不十分である等準公金を取り扱うことに合理的な理由がある場合

(所属長の責務)

第4条 所属長は、所属内の準公金の管理を総括し、取扱いの実態を把握するとともに、厳正に取り扱うよう職員を指導し、事故の防止に努めるものとする。

2 所属長は、所属内の準公金について、職員が取り扱うことの妥当性及び必要性を常に検証し、その取扱いの見直しに努めるものとする。

(準公金会計事務の届出、報告)

第5条 所属長は、準公金の取扱いを開始しようとするときはあらかじめ、準公金の取扱いを既に行っているときは年度開始前に、準公金ごとに準公金会計事務取扱届出書(様式第1号)を、準公金の取扱いを廃止したときは準公金会計事務取扱廃止届出書(様式第2号)を、副町長に提出しなければならない。

2 所属長は、取り扱う準公金の毎年の会計期間終了日の翌月末日までに関係書類を検査し、その管理状況を準公金会計事務管理状況報告書(様式第3号)により副町長に報告しなければならない。

(準公金管理者)

第6条 所属長は、準公金の会計事務の適正な執行を図るために、準公金ごとに準公金管理者を定めるものとし、原則として所属の課長補佐職以上の者を充てるものとする。ただし、所属職員配置の都合により、準公金管理者が選任できないときは、所属長が兼任するものとする。

(準公金管理者の責務)

第7条 準公金管理者は、自らの役割と責任を自覚し、次に掲げる事項を実施しなければならない。

(1) 準公金の会計事務を行う職員を指導及び監査すること。

(2) 準公金に係る収入、支出及び精算の行為について、適正に処理されているかどうかを確認するとともに、会計年度の半期ごとに会計に関する証拠書類を点検し、その結果を所属長に報告すること。

(準公金の会計事務の方法等)

第8条 職員は、次に掲げる事項を遵守して、会計事務を行わなければならない。

(1) 原則として個別に預貯金口座を開設し、管理すること。

(2) 準公金の収入又は支出に際しては、経理出納簿(様式第4号)、収入伺票(様式第5号)、支出伺票(様式第6号)を作成し、準公金管理者の確認を経て、当該準公金に係る所属長の決裁を受けること。ただし、町長が特に認めるときは、経理出納簿の作成を省略することができる。

(3) 準公金に係る収入及び支出における証拠書類を整理保管し、5年間保存すること。

(4) 準公金に係る通帳及び印鑑は、金庫等施錠が可能な場所に保管すること。この場合において、通帳及び印鑑は、異なる場所に保管すること。

(5) 準公金の現金による保管は、原則として行わず、やむを得ず現金を保管する場合は、準公金管理者の指示により必要最小限の日数のみ施錠が可能な場所に保管すること。

(6) 人事異動等により会計事務を引き継ぐ場合には、預貯金通帳、帳簿その他の証拠書類を添えた準公金会計事務引継書(様式第7号)を作成して引継ぎを行うこと。

(検査及び措置の要求等)

第9条 副町長は、準公金の取扱いに関し必要があると認めるときは、関係書類を検査し、所属長に報告を求めるとともに、改善又は必要な措置を講ずることを指示することができる。

2 所属長は、前項の規定により講じた措置を、速やかに副町長に報告しなければならない。

(その他)

第10条 この訓令に定めるもののほか、準公金の取扱いに関し必要な事項は、町長が別に定める。

(施行期日)

1 この訓令は、令和5年10月1日から施行する。

(経過措置)

2 この訓令の施行日以前から取扱いをしている準公金については、同日に新たに取扱いを開始したものとみなし、第5条第1項の規定を適用する。

(適用除外)

3 この訓令の施行日以前から取扱いをしている準公金のうち、既に規定等があるものについては、第8条第2号の規定は、適用しない。

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佐呂間町準公金取扱要綱

令和5年10月1日 訓令第5号

(令和5年10月1日施行)