○佐呂間町養育支援訪問事業実施要領

平成27年3月6日

訓令第1号

佐呂間町養育支援訪問事業実施要領

1 目的

この要領は、養育支援が特に必要であると判断した家庭に対し、保健師、保育士、ホームヘルパー等がその居宅を訪問し、養育に関する指導、助言等を行うことにより、支援を必要とする家庭における養育が適切に行われることを目的とする。

2 実施主体

事業の実施主体は佐呂間町とする。

3 対象者

この事業の対象者は、乳児家庭全戸訪問事業の実施結果や母子保健事業、妊娠・出産・育児期に養育支援を特に必要とする家庭に係る保健医療の連携体制に基づく情報提供及び関係機関からの連絡・通告等により把握され、養育支援が特に必要であって、本事業による支援が必要と認められる家庭の児童及びその養育者とする。

(1) 若年の妊婦及び妊婦健康診査未受診や望まない妊娠等の妊娠期からの継続的な支援を特に必要とする家庭

(2) 出産後間もない時期(おおむね1年程度)の養育者が、育児ストレス、産後うつ状態、育児ノイローゼ等の問題によって、子育てに対して強い不安感や孤立感を抱える家庭

(3) 食事、衣服、生活環境等について、不適切な養育状態にある家庭など、虐待のおそれやそのリスクを抱え、特に支援が必要と認められる家庭

(4) 児童養護施設等の退所又は里親委託の終了により、児童が復帰した後の家庭

4 支援内容

(1) 専門的相談支援 育児不安にある者や精神的に不安定な状態にあり支援が特に必要な状況に陥っている者に支援内容・支援方針を検討し、当該専門的支援が必要を担う機関・部署のサービスと連携し、児童福祉や母子保健等複数の観点から支援を行う。

(2) 家事・育児援助 育児不安にある者や精神的に不安定な状態にあり支援が特に必要な状況に陥っている者に短期集中的に家事・育児等の日常生活支援を行う。

5 訪問支援者

(1) 専門的相談支援 保健師、保育士、養育支援相談員等

(2) 家事・育児援助 ホームヘルパー等(以下「ヘルパー」という)

6 中核機関

この事業の中核となる機関(以下「中核機関」という。)は、児童に関する事務を所管する課とする。事業の実施にあたり、中核機関を保健福祉課と定め、本事業による支援の進行管理や当該事業の対象者の状況により母子保健担当との連絡調整を行う。

中核機関の役割は、次のとおりとする。

(1) 対象家庭の把握

① 乳児家庭全戸訪問事業の実施結果や母子保健事業、妊娠・出産・育児期に養育支援を特に必要とする家庭に係る保健医療の連携体制に基づく情報提供

② 児童相談所等関係機関からの通知・通告や情報提供

保健福祉課は、上記①又は②等により把握された養育支援が特に必要な家庭について情報の収集を行う。

(2) 対象者の判断

① 保健福祉課は、本事業により実施する訪問支援の対象者及び支援内容を決定する。

この場合、必要に応じて、関係部署や児童相談所等と連携し、個別ケース検討会議を開催する等、必要な検討を行う。

② 本事業の対象者は、一定の指標に基づき判断された等、支援が特に必要と認められる家庭の児童及びその養育者とする。

○支援の必要性を判断するための一定の指標

●基本情報

●子どもの年齢

●関与機関または経路(機関名 担当者 経過)

●家族構成

●乳児家庭全戸訪問事業実施報告

(支援の必要性有り・検討のため要調査等)

●子どもの状況

●出生状況(未熟児または低出生体重児等)

●健康状態(発育・発達状態の遅れなど)

●問題行動

●養育者との関係性(分離歴・接触度など)

●健診受診状況

●情緒の安定性

●日常のケア状況・基本的な生活習慣

●養育者の状況

●養育者の生育歴

●妊娠経過・分娩状況

●うつ的傾向等

●家事能力・養育能力

●問題認識・問題対処能力

●養育者の親や親族との関係性

●養育者の健康状態

●性格的傾向

●子どもへの思い・態度

●相談できる人がいる

●養育環境

●夫婦関係

●経済状況・経済基盤・労働状況

●居住地の変更

●利用可能な社会資源

●家族形態の変化及び関係性

●居住環境

●地域社会との関係性

●妊娠期からの支援の必要性

〈特定妊婦〉

●若年

●妊娠葛藤

●妊婦健康診査未受診等

●妊婦の心身の不調

●経済的問題

●母子健康手帳未発行・妊娠後期の妊娠届

●多胎

●その他

(3) 支援の開始と支援内容等の決定方法

① 支援の開始にあたっては、中核機関において、要支援児童等の状況等に応じて具体的な支援の目標及び当該目標を達成するための具体的な支援の内容、期間、方法、支援者等について計画を策定し決定する。

② この事業における支援内容は、支援が特に必要と認められる家庭に対する養育に関する専門的相談・支援であり、具体的には以下の内容を基本とする。

ア 妊娠期からの継続的な支援を特に必要とする家庭等に対する安定した妊娠・出産・育児を迎えるための相談・支援

イ 出産後間もない時期(おおむね1年程度)の養育者に対する育児不安の解消や養育技術の提供等のための相談・支援

ウ 不適切な養育状態にある家庭など、虐待のおそれやそのリスクを抱える家庭に対する養育環境の維持・改善や子の発達保障等のための相談・支援

エ 児童養護施設等の退所又は里親委託の終了により児童が復帰した後の家庭に対して家庭復帰が適切に行われるための相談・支援

③ 産褥期の育児支援や家事援助等については、「3 対象者」に定める支援が特に必要と認められる家庭に対して、一定の目標を設定し相談・支援の一環として実施するものとする。

④ 上記ア及びイについては「4 支援内容」に定める短期集中支援型による支援を想定しており、この場合、例えば3か月以内の短い期間を設定しつつ、当該期間内に例えば週に複数回の訪問を行うなど、頻回に訪問支援を行うものとする。

⑤ 上記ウ及びエについては「4 支援内容」に定める中期支援型による支援を想定しており、この場合、6か月から1年程度の中期的目標を設定した上で、当面3か月を短期的目標として、定期的な訪問支援を行うとともに、目標の達成状況や養育環境の変化などを見極めながら支援内容の見直しを行っていくものとする。

(4) 支援の経過の把握

① 中核機関は、支援の経過について訪問支援者からの報告を受け、支援の実施や家族の状況について把握する等、支援における経過についての進行管理を行う。また、支援の経過の中で適時、訪問支援者の役割分担や支援上の課題について確認する等、対象家庭や訪問支援者へのフォロー体制を確保する。

② 中核機関は、必要に応じて要保護児童対策協議会の実務者会議を開催する。

(5) 支援の終結決定の判断

① 中核機関において、支援の目標が達成されたかどうか、養育環境が改善されたかどうか等の支援後の評価を行い、支援の終結決定についても事業担当者、訪問支援者、関係機関等と協議の上決定する。

② 本事業による支援を終結する場合においても、他の必要な支援につなげることや、必要に応じてその後の継続的な支援体制を確保する。

7 ヘルパーの派遣並びに各家庭における家事及び育児に関する役務の提供

(1) ヘルパーの派遣並びに各家庭における家事及び育児に関する役務の提供は、これらの業務を適切に実施することができると町長が認める団体(以下「ヘルパー派遣団体」という)が行う。

(2) 前項に定める業務の実施に関し、ヘルパー派遣団体と請負契約を締結するとともに、当該業務を適切に実施させるために必要な監督を行う。

8 家事・育児援助の利用の手続き

(1) 希望者はヘルパー派遣の申請を佐呂間町に行う。(様式1号)

(2) 町長は第3条に規定する要件に該当するかどうかその他必要な事項を佐呂間町養育支援訪問事業対象世帯調書(様式9号)による調査をしたうえでヘルパー派遣の可否を行う。第3条に規定する支援の必要がある家庭については、佐呂間町養育支援訪問事業支援計画・経過記録(様式10号)を作成し、支援の必要がない家庭については、佐呂間町養育支援訪問事業利用却下通知書(様式4号)により申し込みをした者に通知するものとする。

(3) 町長は申請者に支援計画を作成した家庭に対し、佐呂間町養育支援訪問事業ヘルパー派遣承認通知書(様式3号)により支援内容を通知するとともにヘルパー派遣団体に対し佐呂間町養育支援訪問事業ヘルパー派遣依頼書(様式2号)によりその旨を通知する。

(4) ヘルパー派遣団体は、前項の申請書により利用する家庭にヘルパーを派遣して支援を行うものとする。

9 家事・育児援助の内容

(1) 乳児の沐浴および育児

(2) 食事の世話

(3) 衣類の洗濯

(4) 住居等の掃除および整理整頓

(5) その他必要な育児および家事

10 家事・育児援助の利用期間等は以下のとおりとする。但し、やむをえない場合はこの限りではない。

(1) 派遣期間は3か月間を限度とする。

(2) 派遣回数は15回以内とする。ただし多胎児の場合は30回以内とする。

(3) 派遣時間帯は午前9時から午後6時までの間とする。

(4) 利用時間は1回2時間以内とする。

11 ヘルパー派遣の中止

利用者又はその属する世帯の世帯員が次の各号のいずれかに該当する場合は、ヘルパーの派遣を中止することができる。

(1) 感染性の疾病があるとき又は感染性の疾病があるおそれがあるとき。

(2) ヘルパーに対し危害を加えるおそれがあるとき

(3) その他ヘルパーの派遣に支障があるとき

12 ヘルパー派遣の辞退

ヘルパーの派遣を受ける者(以下「利用者」という)は自己の都合により利用を辞退しようとする時は、佐呂間町養育支援訪問事業利用辞退届出書(様式5号)により、速やかに町長に届け出なければならない。但し、やむをえない場合は、口頭にて届け出ることができるものとする。

13 ヘルパー派遣の取消

(1) 利用者が次の各号のいずれかに該当するときは、当該利用を取り消すものとする。

① 3に規定する要件に該当しなくなったとき。

② 11に規定する内容又はその他町長が不適当と認めるとき。

③ 12の規定による届出があったとき。

(2) 前項の規定により利用を取り消したときは、佐呂間町養育支援訪問事業利用取消通知書(様式6号)により当該利用者に通知するものとする。

14 ヘルパー派遣による支援の確認

ヘルパーが提供する支援を受けた者は、ヘルパーの支援について支援計画の内容のとおり履行されたかを確認するため、ヘルパーが持参した佐呂間町養育支援訪問事業確認書兼活動実績報告書(様式7号)に押印し、ヘルパーに手渡すものとする。

15 利用者の費用負担

利用者は、ヘルパー派遣団体に対し、別表2のとおり利用者負担金を支払う。

16 ヘルパー派遣による支援の報告および委託料の請求

ヘルパー派遣団体は月毎に実績を佐呂間町養育支援訪問事業確認書兼活動実績報告書(様式7号)により報告するとともに、佐呂間町養育支援訪問事業ヘルパー派遣報酬請求書(様式8号)により委託料の請求をするものとする。

17 ヘルパー派遣による支援の請求による支払い

佐呂間町はヘルパー派遣団体に対し、別表1の委託料単価から利用者負担金を除いた額を支払う。

18 守秘義務

対象家庭の家族の身上、その他職務上知り得た個人に関する情報を、他人に漏らしたり不当な目的に使用してはならない。その職を退いた後も、同様とする。

19 児童福祉法等の一部を改正する法律(平成20年法律第85号)により、第2種社会福祉事業として適切に事業開始の届出を行うとともに、北海道の指導監督を受けることとする。

この要領は、平成27年4月1日から施行する。

(平成28年3月24日訓令第2号)

(施行期日)

1 この訓令は、平成28年4月1日から施行する。

(経過措置)

2 処分その他の行為についての不服申立てであってこの訓令の施行前にされた処分その他の行為については、なお従前の例による。

別表1 ヘルパー派遣単価

時間

内容

1時間単価

最初の1時間派遣単価

30分単価

30分増すごとの派遣単価

別表2 ヘルパー派遣団体への利用者負担基準

利用世帯の区分

利用者負担割合

生活保護世帯

町民税非課税世帯

なし

前記以外の世帯

ヘルパー派遣委託料単価の2割

画像

画像

画像

画像

画像

画像

画像

画像

画像

画像画像

画像画像

佐呂間町養育支援訪問事業実施要領

平成27年3月6日 訓令第1号

(平成28年4月1日施行)